シリアルプロッタツールを利用する

Arduino IDE 2のシリアルプロッタの設定方法と使用方法を学びます。


AUTHOR: Karl Söderby、LAST REVISION: 2024/02/17


シリアルプロッタ

シリアルプロッタ

シリアルプロッタは、Arduinoボードから送信される異なるデータを追跡するための多目的ツールです。これは、“端末形式"でデータを表示するのに使われるシリアルモニタツールと同じように機能します。しかし、データをよりよく理解・比較することを補助するための素晴らしい可視化ツールです。

このチュートリアルでは、この機能(シリアル通信を利用する、実質全てのスケッチで動作します)を有効化する方法と、スケッチ例がどのようなものか、どのように動作するかを概観します。

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Arduino IDE 2のダウンロードとインストールに関する説明が必要であれば、IDE 2のダウンロードとインストールガイドを参照してください。エディタの使い方の他のガイドは、IDE 2ドキュメントを参照してください。

必要なもの

目的

このチュートリアルの目的は以下の通りです。

  • シリアルプロッタの使い方を学ぶ
  • 簡単なスケッチを作成しテストする

スケッチ例

シリアルプロッタを使うには、スケッチを作成し、ボードにアップロードする必要があります。このスケッチには、少なくとも一つのintfloatといった数値を含んでいる必要があります。

以下に、可変抵抗とanalogRead()関数を使う例と、random()関数を使う例の、2つの例を示します。双方のスケッチには、static_variableという名前の変数に500という定数を設定していて、基準値として使われます。

以下の例のどちらかを選び、ボードにアップロードしてください。

スケッチ(可変抵抗を使う)

  • int potentiometer: 可変抵抗からの数値を格納する変数。アナログピン(0-1023の間の数値をとる)に接続します。
  • int static_variable = 500: 500という定数を持つ変数。
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int potentiometer;
int static_variable = 500;

void setup() {
  Serial.begin(9600);
}

void loop() {
  potentiometer = analogRead(A1);

  Serial.print("Variable_1:");
  Serial.print(potentiometer);
  Serial.print(",");
  Serial.print("Variable_2:");
  Serial.println(static_variable);
}

スケッチ(可変抵抗を使わない)

  • int random_variable: 0-1000の値をとる乱数を格納する変数。
  • int static_variable = 500: 500という定数を持つ変数。
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int random_variable;
int static_variable = 500;

void setup() {
  Serial.begin(9600);
}

void loop() {
  random_variable = random(0, 1000);

  Serial.print("Variable_1:");
  Serial.print(random_variable);
  Serial.print(",");
  Serial.print("Variable_2:");
  Serial.println(static_variable);
}
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シリアルプロッタは、CRLF(\r\n)とLF(\n)だけを、改行文字として認識します。最後の変数の後に、改行文字があることを確認してください。最後に改行文字を挿入するには、Serial.print("\n")Serial.print("\r\n")を、利用できます。一方、Serial.println()は、CRLF文字を自動的に挿入します。さらに、上記の例で、\t(tab)や" “(空白)を、”,"(コンマ)の代わりに、区切り文字として使うこともできます。

シリアルプロッタ

スケッチをアップロードすると、シリアルプロッタがテストできます。

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シリアルプロッタを開く前に、スケッチのアップロードが完了したことを確かめてください。端末の出力に"upload complete"と表示されます。

IDEウインドウの右上にあるボタンをクリックし、シリアルプロッタを開いてください。

シリアルプロッタを開く

シリアルプロッタを開く

可変抵抗のスケッチ例を選んだときは、ノブを回せば、プロッタに波のような図形を表示させることができます。常に500だとわかっているstatic_variableを基準値として利用できます。これは、アナログコンポーネントをテストする簡単な例です。

乱数のスケッチ例を選んだときは、プロッタを開けば、数値が急激に変動するランダムなスパイクが表示されます。

変数名の横にあるチェックボックスをチェックすれば、変数を有効化・無効化することができます。

おわりに

シリアルプロッタは、変数の値を追跡するのに本当に有用なツールです。センサーのテストやキャリブレーション、値の比較などに利用できます。

Arduino IDE 2の機能についてもっと知りたい場合は、Arduino IDE 2のドキュメントページを参照してください。

オリジナルのページ

https://docs.arduino.cc/software/ide-v2/tutorials/ide-v2-serial-plotter/

最終更新日

February 17, 2024

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