はじめに
Windows10上で、Arduinoを利用するために必要となるArduino IDE 2.0のインストール方法を紹介します。
Arduino IDE 2.0のインストールは、以下の2ステップに別れます。
- IDEのインストール
- 利用するボード用のツールチェーン(コンパイラなど)のインストール
- IDE 2.0では、IDEの初回起動時にAVRアーキテクチャ用のツールチェーンがインストールされます。
- AVRアーキテクチャ以外のツールチェーンは別途インストールします。
ここでは、以下を説明します。
下記は、私の環境での話です。過去のArduino IDEのインストール履歴などによっても、異なる挙動をとる可能性があるので、注意してください。
IDEのインストール
インストーラのダウンロード
以下から、Arduino IDE 2.0用のインストーラをダウンロードします。
https://www.arduino.cc/en/software#future-version-of-the-arduino-ide
Windows版やLinux版、macOS版があります。ここでは、“Windows Win 10 and newer, 64 bits"を利用します。他のものでは以降の説明が異なる可能性があるので注意してください。
インストーラの実行
ダウンロードしたインストーラを実行します。
ライセンス契約書が表示され、同意を求められます。

問題なければ、「同意する」を押下します。インストールオプション選択画面が表示されます。

今回は、「現在のユーザーのみにインストールする」を選択しました。インストール先を選択する画面が現れます。
「このコンピューターを使用しているすべてのユーザー用にインストールする」のルートは試していません。

インストール先を選択します。その後「インストール」を押下します。
インストールが始まります。

インストールが終わると、以下の画面が表示されます。

これで、IDEのインストールは完了です。
IDEの起動
初回起動時
IDEが起動したら、AVRアーキテクチャ用のツールチェーンやライブラリがインストールされます。
PCの状態により、いくつかの確認が求められるかもしれません。今回は、dpinst-amd64.exeをインストールするのか確認されました。また、以前RC版をインストールしたときは、Arduino USB Driverのインストール許可も求められました。さらに、以下の2つについて、ファイアウォール関連の許可を求められるかもしれません。必要に応じて許可を与えてください。
- Arduino IDE
- ardino-cli.exe

ライブラリのアップデートに関する情報も出ていますが、過去インストールしたライブラリに関するアップデートと思われます。
メニューの日本語化
デフォルトでメニューが英語だったので、日本語化しました。

メニューの、File->Preferences…で、Preferencesを選択します。Language: を「日本語」に変更します。「Reload required」と書いてありますが、自動的にリロードしてくれました。
Arduino UNOでのBlink(Lチカ)の実行
動作確認のため、Arduino UNOで、スケッチ例にある"Blink"を実行してみます。
まずは、Arduino UNOをPCに接続します。
次に、メニューから、「ファイル→スケッチ例→01.Basics→Blink」を選択します。選択すると、新たにウインドウが現れます。

次に、ボードを選択します。IDE上部の「ボードを選択」をクリックすると、PCに接続しているArduino UNOとポート番号が表示されるので、これを選択します。
「他のボードとポートを選択」をクリックすると、ボードとポートを別々に選択することもできます。それ以外に、上部の「ツール」メニューからも、ボードとポートを選択することもできます。

次にスケッチをコンパイルして、Arduinno UNOにアップロードします。
上部のメニューの右矢印(書き込みボタン)を押下します。すると、スケッチがコンパイルされ、コンパイルされたファイルが、Arduino UNOにアップロードされます。

以上で、スケッチがコンパイルされ、ボードにアップロードされます。

Arduino UNOを見ると、内蔵LEDが1秒おきに点滅しています。
ツールチェーンのインストール
AVRアーキテクチャ以外のボードを使うときは、ボードに対応したツールチェーンを追加インストールする必要があります。
ここでは、ESP-WROOM-32を例に、ツールチェーンのインストール方法を説明します。
追加のボードマネージャのURLの設定
ESP-WROOM-32は非公式のボードなので、ツールチェーンをインストールする際にはボードマネージャ用の情報が記載されたJSONファイルのURLを設定する必要があります。
Arduino DUEなど、公式ボードの場合は、この手順はスキップます。
公式ページによると、Arduino core for the ESP32, ESP32-S2, ESP32-S3 and ESP32-C3用の、Stable release用のリンクは以下の通りです。
https://raw.githubusercontent.com/espressif/arduino-esp32/gh-pages/package_esp32_index.json
IDEメニューの、「ファイル→基本設定」から基本設定メニューを開き、一番下にある、「追加のボードマネージャのURL」に、上記のURLを設定します。複数のURLを設定するには、「,」で区切って記入します。

上記の欄に、直接URLを記入するか、右側の編集ボタンを押して、編集画面を表示させるかして、URLを設定します。以下は、編集画面から入力する例です。Spresense用のURLも設定しています。

次に、ボードマネージャを起動します。ボードマネージャの起動方法は、以下の2種類があるようです。
- 画面左の「ボードマネージャアイコン」(上から2番目)をクリックする
- メニューの「ツール → ボード → ボードマネージャ」を選択する
ショートカットで、「Ctrl+Shift+B」というのもありそうですが、スケッチブックが選択されました。

画面の左側に、ボードを選択する画面が表示されます。検索窓に、“ESP"と入力すると、esp32用の情報が出てきます。

インストールボタンを押すと、インストールが開始されます。

インストールが終了すると、「INSTALLED」と表示されます。

ボードマネージャを表示すると、ESP32用のボードが選択できるようになっています。

使用感
少ししか使っていませんが、rc版や、IDE 2.0.0を使ってみた感想などです。
- 関数名などの補完
以下を行うことで、関数名などを補完することができます。- 基本設定で、「エディターのクイックサジェスト(“Editor Quick Suggestions”」を選択
- ボードマネージャで、使用するボードの選択
- 候補が出てこないときは、Ctrl+SPACEで候補が出てきます。
- 定義の表示(Go to Definition)
- F12を押すと、関数などが定義されているファイルが表示されます。
- 少し重い
- 私のPCが古いせいかもしれませんが、左下に、“Building Sketch"や"indexing"と表示されることが多いです。
- カーソルの動きがたまにおかしい。
- 行の先頭にカーソルが勝手に移動することがありました。
- ESP32用の拡張が使えない
- SPIFFSのアップローダや、EspExceptionDecoderなどのESP32用の拡張がまだ使えないようです。
- ファイル(スケッチ)を選択する際、深い階層にあるスケッチの、途中のディレクトリが表示されない。
- シリアルモニタで日本語が一部文字化けすることがあります。試したのは、Spresenseだけですが。(2.0.0では未確認)
最終更新日
February 18, 2023