Preferences

概要

Arduino 1.8.4についてくるデフォルトのpreferences.txtと、app/src/processing/app, arduino-core/src配下のjavaコードをもとに設定項目を抜き出してみました。見落としがある可能性は高いです。また、preferences.txtに書かれているものでも、ソースコード上私が確認できなかったものもありますし、実際に動作させてみても動きがわからないものもありました。ご存知の方は教えていただけるとありがたいです。

Arduinoソフトウェアの設定は、ファイル > 環境設定(Ctrl+Comma)で設定できます。このメニューから設定できない項目については、以下のファイルで変更することができます。Arduinoソフトウェアのバージョンによって少し異なるようです。自分の環境のpreferences.txtがどこにあるかは、Arduinoソフトウェアを立ち上げて、“ファイル > 環境設定"で開かれる環境設定ウインドウの一番下を確かめてください。

Windows 10
c:\Users<USERNAME>\AppData\Local\Arduino15\preferences.txt
Linux
~/.arduino15/preferences.txt
Mac
~/Library/Arduino15/preferences.txt

preferences.txtのフォーマット

preferences.txtは、“key=value"形式のフォーマットで記述します。

キーには、プラットフォーム専用のサフィックスをつけることができます。利用可能なのは、windowsとlinux、macosxの3種類です。例えば、editor.font.macosxを指定すると、Arduinoソフトウェアをmacosxで利用する場合、もとのeditor.fontを上書きます。複数のプラットフォームでpreferences.txtを共有する場合に有効ですが、個人で利用する分にはあまり関係ないかもしれません。

Preferences

以下に各項目を示します。

項目 説明 Arduinoソフトウェアでの設定
allow_insecure_packages パッケージマネージャが利用するインデックスファイルが署名されていなくても有効なインデックスファイルとみなす。 true/false
board Arduinoハードウェアの種類。メニュー(ツール > ボード)から選択できる。 文字列
boardsmanager.additional.urls ボードマネージャ用の追加URL。コンマ(,)を使って複数指定できる。 文字列 追加のボードマネージャのURL
browser 確認できず。Processing用? ?
build.path スケッチをコンパイルする際に利用するフォルダ。指定がない場合は、Files.createDirectories()で作成される。 文字列
build.verbose スケッチのコンパイル時の詳細表示を制御する。trueにするとコンパイル時のコマンドなどがコンソールに表示される true/false より詳細な情報を表示する:コンパイル
build.warn_data_percentage スケッチが利用するRAM使用率が、ここで設定した値を超える(値以上?)場合に、警告メッセージを表示する。 数値
builtin_platform_is_newer バージョンチェックをしているようですが、詳しくはよくわかりませんでした。 数値
compiler.cache_core core.aをキャッシュし、再利用する。 true/false コンパイルされたコアを積極的にキャッシュする。
compiler.warning_level コンパイラの警告レベルを設定する。none/default/more/allから選択する。 文字列 コンパイラの警告
console 確認できず。 ?
console.auto_clear コンソール(スケッチの下の、コンパイルやボードへの書き込み時に情報を表示するウインドウ)を、コンパイル時に毎回クリアするかしないか。 true/false
console.error.file 確認できず。 ?
console.length 確認できず。 ?
console.lines コンソールウインドウの高さ。数値を変えても何が変わるのかよくわかりませんでした。 数値
console.output.file 確認できず。 ?
contributions.trust.all ボードマネージャから、新たなボードをインストールする際、非公式のボードを信頼するかどうか。説明が少し怪しいです。 true/false
editor.advanced alt+UP、alt+Downで、現在の行を、それぞれ、上下に移動する。 true/false
editor.antialias エディタフォントにアンチエイリアス処理を行うかどうか。 true/false
editor.auto_close_braces 開き括弧に対応した閉じ括弧を自動挿入する。 true/false
editor.beep.compile スケッチのコンパイルやアップロードに失敗したときに、ビープ音をならす。 true/false
editor.caret.blink 確認できず。 ?
editor.code_folding 確認できず。コード上はあるのですが、動作を確認できませんでした。 true/false コードの折り返しを有効に
editor.custom_title_format Arduinoソフトウェアのタイトルを変更することができます。{file}, {folder}, {path}, {project}, {version}という文字列は、実際の値に置換されます。 ?
editor.divider.size 確認できず。 ?
editor.external 外部エディタを利用する。trueにすると、Arduinoソフトウェアでの編集はできなくなる。コンパイルやアップロードは実行可能。 true/false 外部のエディタを使用する
editor.font エディタのフォント。エディタとコンソールに反映されるようです。 文字列 エディタの文字の大きさ
editor.indent エディタで改行キーを入力したときに、インデントを行うかどうか。 true/false
editor.invalid 確認できず。 ?
editor.keys.alternative_cut_copy_paste 確認できず。 ?
editor.keys.home_and_end_beginning_end_of_doc 確認できず。OSXでは、設定すると、HOMEとENDで、行の最初か最後に行くようです。 true/false
editor.keys.shift_backspace_is_delete 確認できず。 ?
editor.keys.shortcut_comment Ctrl + 指定した文字 をコメントの挿入に割り当てる。 文字
editor.languages.current 利用する言語。設定しないときは、PCの言語設定に従う。 文字列 言語設定
editor.linenumbers 行番号表示を制御する。 true/false 行番号を表示する
editor.save_on_verify スケッチをコンパイルする前に、スケッチをセーブするかを確認するかどうか。ただし、スケッチが修正されていて、かつ、書込みできない場合にだけ、確認を求められると思います。 true/false 検証または書き込みを行う前にスケッチを保存する
editor.show_always_extensions エディタのタブに表示されるファイル名に、常に拡張子を表示するか、".ino"と".pde"の場合は表示しないか。 true/false
editor.syntax_theme エディタのテーマ。デフォルトでは、defaultとdarkが選択できるようです。 文字列
editor.tabs.expand タブをスペースに展開するかどうか。 true/false
editor.tabs.size タブのインデント数。 数字
editor.update_extension スケッチを保存する際に、拡張子を.pdeから.inoに変更するかどうか。 true/false スケッチを保存する際に、拡張子を.pdeから.inoに変更する
editor.window.height.default エディタのデフォルトの高さ 数値
editor.window.height.min エディタの最小の高さ 数値
editor.window.width.default エディタのデフォルトの幅 数値
editor.window.width.min エディタの最小の幅 数値
export.applet.separate_jar_files 確認できず。 ?
export.application.fullscreen 確認できず。 ?
export.application.platform 確認できず。 ?
export.application.stop 確認できず。 ?
export.delete_target_folder 確認できず。 ?
export.library 確認できず。 ?
gui.scale GUIの表示倍率。 数値/auto インタフェースのスケール
history.recording 確認できず。 ?
iserial 通信用の設定? 文字列
last.folder ファイルを開く際に指定したディレクトリを保存する。次にファイルを開く際のデフォルトのディレクトリとなる。 文字列
last.ide{VERSION}.daterun 最後にArduinoソフトウェアを起動した時刻。時刻はUNIXタイム、{VERSION}には、Arduinoソフトウェアのバージョンが入る。 数値
last.ide.{VERSION}.hardwarepath 最後に使ったArduinoソフトウェア内のhardwareディレクトリのパス。{VERSION}には、Arduinoソフトウェアのバージョンが入る。 文字列
last.screen.height 最後にArduinoソフトウェアを起動したときの、ディスプレイの高さ。 数値
last.screen.width 最後にArduinoソフトウェアを起動したときの、ディスプレイの幅。 数値
last.serial.location 最後のシリアルモニタの位置。X,Y,width,heightの順で数値が並ぶ。 文字列
last.sketch.count 恐らく、1固定の値が設定される。 数値
last.sketch.default.location 最後にArduinoソフトウェアを起動したときのスクリーン位置。 文字列
last.sketch.default.path 最後にArduinoソフトウェアを起動したときに編集したファイルパス。 文字列
launcher ファイルやURLを閲覧する際に利用するプログラム。 文字列
platform.auto_file_type_associations 確認できず。 ?
preproc.color_datatype 確認できず。 ?
preproc.enhanced_casting 確認できず。 ?
preproc.imports.list 確認できず。 ?
preproc.output_parse_tree 確認できず。 ?
preproc.save_build_files 確認できず。 ?
preproc.substitute_floats 確認できず。 ?
preproc.substitute_font 確認できず。 ?
preproc.substitute_image 確認できず。 ?
preproc.substitute_unicode 確認できず。 ?
preproc.web_colors 確認できず。 ?
preprocessor 確認できず。 ?
programmer 利用する書き込み装置。 文字列 ツールメニューの書き込み装置
proxy.manual.hostname 手動プロキシ構成時のホスト名。 文字列 ネットワーク設定
proxy.manual.password 手動プロキシ構成時/自動検出のパスワード。手動プロキシ構成の場合は保存されないようです。要確認。 文字列 ネットワーク設定
proxy.manual.port 手動プロキシ構成時のポート番号。 文字列 ネットワーク設定
proxy.manual.type 手動プロキシ構成時の利用プロトコル。HTTPかSOCKSか。 文字列 ネットワーク設定
proxy.manual.username 手動プロキシ構成時のユーザ名。手動プロキシ構成の場合は保存されないようです。要確認。 文字列 ネットワーク設定
proxy.pac.url プロキシ設定を自動検出する際のURL。 文字列 ネットワーク設定
proxy.type プロキシ設定のタイプ。none/auto/manual。 文字列 ネットワーク設定
recent.sketches 最近利用したスケッチ。 文字列
run.display 確認できず。 ?
run.options 確認できず。 ?
run.options.memory 確認できず。 ?
run.options.memory.initial 確認できず。 ?
run.options.memory.maximum 確認できず。 ?
run.present.bgcolor 確認できず。 ?
run.present.display グラフィックデバイスの番号。 数値
run.present.exclusive 確認できず。 ?
run.present.stop.color 確認できず。 ?
run.window.bgcolor 背景色。動作の確認はできず。 文字列
runtime.is-windows-store-app Windows Store アプリケーションかどうか。設定を保存できる場所に制約があるようですが、詳細は不明。 true/false
runtime.preserve.temp.files Arduinoソフトウェア終了時に、一時ファイルを削除するか。 true/false
runtime.pwd.{IPADDRESS} 不明。認証にかかわる設定のようです。 文字列
serial.databits シリアル通信のビット長。 数値
serial.debug_rate シリアル通信の通信速度。 数値 シリアルモニタ
serial.line_ending シリアルモニタから文字列を送信する際の終端文字。0:なし、1:LF、2:CR、3:CR+LF 文字列 シリアルモニタ
serial.parity シリアル通信のパリティ 文字列
serial.port シリアル通信のポート。 数値 ツールメニューのシリアルポート
serial.port.file スケッチをアップロードする際のポート。書き込んではいるが、読み込んでなさそう。 文字列
serial.port.iserial 通信用の設定? 文字列
serial.ports.showall シリアルポートをすべて表示するか?設定がうまく使われていないように見えました。 true/false
serial.stopbits シリアル通信のストップビット。 数値
settings.path 設定ファイルのパス。 文字列
sketchbook.closing_last_window_quits 確認できず。 ?
sketchbook.path スケッチを配置するパス。 文字列
target_package どういう意味があるか不明。 文字列
target_platform どういう意味があるか不明。 文字列
update.check Arduinoソフトウェアの更新を確認するか。 true/false
update.id Arduinoソフトウェア更新時のID。 数値
update.last Arduinoソフトウェアの更新時刻。 数値
upload.verbose スケッチのアップロード時の詳細表示を制御する。trueにするとアップロード時のコマンドなどがコンソールに表示される true/false
upload.verify スケッチのアップロード時に検証する。avrdudeに-Vオプションを渡すかどうかを制御するようです。

バージョン

Arduino 1.8.4

最終更新日

January 29, 2023

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