はじめに
ウォッチドッグタイマーの例です。3秒間0番ピンがLOWになると、ESP32をリスタートします。
プログラム
定義等
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buttonは、スイッチを接続するピン番号(ここでは0)です。このピンがLOWの間は、delay()を呼び出し、タイマーをリセットする機会を奪います。
wdtTimeoutは、ウォッチドッグを起動するまでの時間です。3000を設定しています。実際には3秒を意味します。
timerは、hw_timer_t型へのポインタで、タイマーを表す変数です。
resetModule()
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この関数は、タイマー割り込みが発生したときに呼び出される関数です。ARDUINO_ISR_ATTR属性を付けることで、このコードがIRAM(Instruction RAM)に配置されるようにしています。esp32では、割り込みハンドラはIRAMに配置する必要があるようです。
ARDUINO_ISR_ATTRは、esp32-hal.hで、定義されています。
ets_printf()は、シリアルモニタに文字を表示する関数です。
esp_restart_noos()は、ESP32をリスタートする関数です。内部では、自身が使ってない方のコアを止めたり、ハードウェアをリセットしたりしているようです。
この関数は、タイマーが3秒間リセットされないと呼ばれるようにsetup()で設定しています。
setup()
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pinMode()によりbuttonを入力モード(プルアップあり)に切り替えます。
timerBegin()は、タイマーの初期設定を行います。タイマー番号0、分周比80を設定しています。
timerAttachInterrupt()は、タイマーに割り込みハンドラを設定します。
timerAlarmWrite()で、タイマーの値(割り込みのタイミング)を設定します。クロックの周波数は80MHzで、timerBegin()で、分周比を80に設定しているので、周波数は、80,000,000 / 80 = 1,000,000 Hz となるため、1チックあたり、1マイクロ秒となります。ここで、第2引数に3000000を設定しているので、タイマーは3秒ごとに起動されます。第3引数はfalseなので、タイマーは周期的ではなく、一度だけ起動されます。
最後に、timerAlarmEnable()で、タイマーを開始します。
loop()
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timerWrite()で、現在のタイマー値を0に設定します。これにより、タイマーをリセットします。
digitalRead()でbuttonがLOWになっているのを検出すると、delay()を使って500ミリ秒待ちます。
loop()の先頭付近で取得したmillis()の値と、終了付近で取得したmillis()の値の差を表示します。
loop()の処理に、3秒以上要してしまうと、resetModule()が呼び出されて、システムがリセットされます。
バージョン
Hardware: | ESP-WROOM-32 |
Software: | Arduino core for the ESP32 2.0.4 |
最終更新日
November 1, 2022