MicroPythonに対応しているArduinoボードの一覧と、インストール方法です。
Author: Francesca Sanfilippo、Last revision: 2023/03/01
MicroPythonの最初のプロジェクトとArduinoを始めるには何をする必要があるでしょうか? まず、対応しているボードが必要です。このページでは、対応しているボードをインストール方法を紹介します。
どのボードがプロジェクトによりふさわしいかを理解するために、それぞれのボードのドキュメントを参照することができます。
サポートしているボード
以下のボードがMicroPythonをサポートしています。
- Nano BLE / Nano BLE Sense / Nano BLE Sense Rev2
- Nano RP2040 Connect
- Nano ESP32
- Nicla Vision
- GIGA R1 WiFi
- Portenta H7
- Portenta C33
Arduino MicroPythonインストーラー
我々は、クリックするだけでArduinoボードにMicroPythonファームウェアをインストールするツールを開発しました。このツールでは、ボードを接続し、メニューから選択し、自動で最新もしくは自分で選択したファームウェアをボードにフラッシュすることができます。
ここからArduino MicroPythonインストーラーをダウンロードしてください。
Arduino MicroPythonインストーラーは、Arduino Labsの一部であり、そのため、実験的なソフトウェアと考えています。
開始するには、アプリケーションを開き、ボードをコンピューターに接続してください。画面がポップアップし、リストから選択可能状態になることを確認できます。ポップアップしない場合は、リセットボタンをダブルクリックして、ボードをブートローダーモードにしてください。
これで、MicroPythonファームウェアのアップロードは、“Install MicroPython"を押して、インストーラーツールがすべてを処理する間、しばらく待つだけと簡単になりました。
Arduino MicroPythonインストーラーツールを使いたくなければ、ボードごとの手動インストール方法に従ってください。
Nano ESP32
必要なソフトウェア
- MicroPythonファームウェア
- esptool.pyがインストールされていること
- Pythonがインストールされていること
まず、 B1ピンをGNDに接続しリセットボタンを押し、ボードに新ファームウェアをアップロードできる状態にしてください。
フラッシュを削除するために、以下のesptoolコマンドを実行してください。{port-name}
は、ボードが接続されているポート名に置き換えてください。
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その後、新ファームウェアをアップロードするために、以下のコマンドを実行してください。{firmware.bin}
は、実際のファームウェアのバイナリファイル名に、{port-name}
は、ボードが接続されているポート名に置き換えてください。
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これで、ボードはMicroPythonでプログラムできる準備ができました。
Nano 33 BLE & Nano 33 BLE Sense
Nano 33 BLEでのファームウェアのフラッシュの手順では、まずブートローダーとSoftDeviceを更新する必要があります。一度これを行うと、MicroPythonファームウェアをボードにフラッシュできます。
この手順では、Arduino IDEをインストールしている必要があります。手順は以下で説明します。
Step1: コアをインストールする
それぞれのコアがインストールされていることを確認することから始めます。Arduino IDE(Arduino Lab for MicroPythonではありません)を起動し、ボードマネージャを開きます。ボード(Nano 33 BLE)を探し、最新のコアがインストールされていることを確認します。このステップに関する、より詳細な情報はここを参照してください。
これは、次のスケッチのアップロードに必要なだけではなく、この後のステップで、特定のツールを見つけるために、コアファイルそのものを見ていくことになります。
Step2: ブートローダーを更新する
Nano 33 BLEコアには、ボードのブートローダーとSoftDeviceを更新するためのスケッチ例が含まれています。Arduino IDEに戻り、以下をたどり
File > Examples > Nano33BLE_System > Nano33_updateBLandSoftDevice
スケッチを開いてください。
ボードにスケッチをアップロードしてください。ブートローダーはまだ更新されていないことに注意してください。スケッチをアップロードしたら、実際にブートローダーを更新するために、シリアルモニタを通じてボードを操作することができます。
シリアルモニターで、ブートローダーを更新してもいいかの確認が求められます。シリアルモニターの上部のメッセージテキストボックスに、“y"と入力し、エンターキーを押し、ボードに送信します。
ブートローダーの更新が進行しているのが見えます。この際、ボードを切断したり、リセットしたりしないでください。ボードが壊れます。
このプログレスバーが完了すると、次の選択肢を尋ねられます。今回は、ボードのSoftDeviceを更新するかの確認です。“y"と入力し、エンターキーを押し、進行を見ることを繰り返します。
このプログレスバーが完了し、SoftDeviceの更新が完了すると、ボードは再起動し、全ての更新が完了します。
Step3: ファームウェアをダウンロードする
次に、ボードにフラッシュする必要がある特定のファームウェアを見つける必要があります。MicroPythonドキュメントのサイトで、利用可能なファームウェアを見つけることができます。
ボードに関連する.bin
ファイルをダウンロードします。
次に、Step1でダウンロードしたコアファイルに含まれる、BOSSACと呼ばれるコマンドラインツールを探します。これは、WindowsとMacOSとで操作が異なります。
Step 4a: ファームウェアをフラッシュする(Windows)
MacOS向けの操作方法は、このセクションの次にあります。
探すファイルは、bossac.exe
という名前で、以下のディレクトリにあります。
C:\Users\[your-username]\AppData\Local\Arduino15\staging\packages\bossac-1.9.1-arduino2-windows.tar.gz\bossac-1.9.1-arduino2-windows.tar\bin\`
ファイルを見つけたら、.tar
アーカイブから抽出し、例えばデスクトップなど、どこかにコピーします。
コマンドターミナルを起動し、start
と打ち込みます。bossac.exeをターミナルに、ドラッグアンドドロップし、エンターキーを押します。
成功すると、別のコマンドターミナルウインドウが開き、MicroPythonファームウェアをボードにフラッシュするためのコマンドを打ち込むことができるようになります。
以下のコマンドを実行します。ただし、portは、ボードが接続されているポート名に置き換え、firmware fileは先ほどダウンロードしたファームウェアを置いたディレクトリに置き換えてください。
bossac -e -w --offset=0x16000 --port=[port] -i -d -U -R [firmware]
この際、ボードを切断したり、リセットしたりせずに、ボードにファームウェアがフラッシュされるのが進行するのを見てください。完了すると、MicroPythonでボードをプログラムする準備ができています。
Arduino Lab MicroPython IDEに行き、左上のconnectボタンを押し、ポートを選べば、Nano 33 BLEでプログラムする準備完了です。
Step 4b: ファームウェアをフラッシュする(MacOS)
探すファイルは、bossac
という名前で、以下のディレクトリにあります。
Users/[your-user]/Library/Arduino15/packages/arduino/tools/bossac/1.9.1-arduino2
Shift + Command + .
を押して、隠しディレクトリを表示してください。ターミナルウインドウを開き、bossac
ファイルをターミナルウインドウにドラッグアンドドロップしてください。
これで、MicroPythonファームウェアをボードにフラッシュするためのコマンドを実行できるはずです。
以下のコマンドを実行します。ただし、portは、ボードが接続されているポート名に置き換え、firmware fileは先ほどダウンロードしたファームウェアを置いたディレクトリに置き換えてください。
bossac -e -w --offset=0x16000 --port=[port] -i -d -U -R [firmware]
この際、ボードを切断したり、リセットしたりせずに、ボードにファームウェアがフラッシュされるのが進行するのを見てください。完了すると、MicroPythonでボードをプログラムする準備ができています。
Arduino Lab MicroPython IDEに行き、左上のconnectボタンを押し、ポートを選べば、Nano 33 BLEでプログラムする準備完了です。
Nano RP2040 Connect
Nano RP2040 Connectで、MicroPythonプログラムをするには、以下の指示に従ってください。Nano RP2040 Connect用のインストールでは、追加のソフトウェアツールは不要です。
.uf2
ファームウェアファイルを、MicroPythonページからダウンロードしてください。REC
ピンとGND
ピン(隣同士です)を接続し、リセットボタンを押します。これで、ボードのファイルシステムをPCに公開します。- ファームウェアファイルをボードのフラッシュストレージにドラッグアンドドロップしてください。フラッシュストレージは、PCの外部ストレージデバイスとして現れています。
- Arduino Lab MicroPython IDEに行き、左上のconnectボタンを押し、ポートを選んでください。
おめでとうございます。Nano RP2040 ConnectでMicroPythonプログラムするための準備が完了しました。
GIGA R1 WiFi
GIGA R1 WiFiのインストール方法は、次のPortenta H7と同じです。
ただし、ファームウェアが異なります。ファームウェアは以下からダウンロードできます。
Portenta H7
Portena H7にMicroPythonをインストールするには、最初に関連するコアをインストールする必要があります。このコアは、dfu-util
という必要なコマンドラインツールもインストールします。
このツールは、バイナリをボードに直接フラッシュするのに使われます。今回は、MicroPythonのビルドです。
dfu-util
を使います。dfu-util home pageやHomebrew(MacOS/Linux)のようなパッケージ管理システムから、dfu-util
を直接取得することもできます。Step1: Arduino IDEをインストールする
まず、使用しているOS用のArduino IDEをダウンロードしインストールします。
Arduino IDE(Arduino Lab for MicroPythonではありません)を起動し、ボードマネージャを開きます。“Portenta H7"を探し、最新のコアがインストールされていることを確認します。
Step2: ファームウェアをダウンロードする
次に、ボードにフラッシュする必要がある特定のファームウェアを見つける必要があります。MicroPythonドキュメントのサイトで、利用可能なファームウェアを見つけることができます。Portena H7用のファームウェアは、.dfu
ファイルとして利用可能です。
次に、Step1でダウンロードしたコアファイルに含まれる、dfu-utilと呼ばれるコマンドラインツールを探します。これは、WindowsとMacOSとで操作が異なります。MacOSの操作は少し先で説明します。
Step3a: ファームウェアをインストールする(Windows)
ボードにフラッシュするには、dfu-util.exe
という名前のファイルが必要です。これは、以下のディレクトリにあります。
C:\Users\<your-username>\AppData\Local\Arduino15\staging\packages\dfu-util-0.10.0-arduino1-windows.tar.bz2\dfu-util-0.10.0-arduino1-windows.tar\windows\
ファイルを見つけたら、.tar
アーカイブから抽出し、例えばデスクトップなど、どこかにコピーします。
コマンドターミナルを起動し、start
と打ち込みます。dfu-util.exeをターミナルに、ドラッグアンドドロップし、エンターキーを押します。
成功すると、別のコマンドターミナルウインドウが開き、MicroPythonファームウェアをボードにフラッシュするためのコマンドを打ち込むことができるようになります。
ボードのリセットボタンをダブルクリックし、DFUモードに移行します。以下のコマンドを実行します。ただし、firmware fileは先ほどダウンロードしたファームウェアを置いたディレクトリに置き換えてください。
dfu-util -a 0 -d 0x2341:0x035b -D <firmware>.dfu
この際、ボードを切断したり、リセットしたりせずに、ボードにファームウェアがフラッシュされるのが進行するのを見てください。
二つのプログレスバーが順に表示されます。一つ目は、もともとボードにあったファームウェアを消去するのを示す進捗で、二つ目は、新しいファームウェアをフラッシュするのを示す進捗です。
完了すると、MicroPythonでボードをプログラムする準備ができています。
Arduino Lab MicroPython IDEに行き、左上のconnectボタンを押し、ポートを選び、コードを書いてください。
Step 3b: ファームウェアをインストールする(MacOS)
ボードにフラッシュするには、dfu-util.exe
という名前のファイルが必要です。これは、以下のディレクトリにあります。
Users/[your-username]/Library/Arduino15/packages/arduino/tools/dfu-util/0.10.0-arduino1/dfu-util
Shift + Command + .
を押して、隠しディレクトリを表示してください。ターミナルウインドウを開き、dfu-utilファイルをターミナルウインドウにドラッグアンドドロップしてください。
これで、MicroPythonファームウェアをボードにフラッシュするためのコマンドを実行できるはずです。
ボードのリセットボタンをダブルクリックし、DFUモードに移行します。以下のコマンドを実行します。ただし、firmware fileは先ほどダウンロードしたファームウェアを置いたディレクトリに置き換えてください。
dfu-util -a 0 -d 0x2341:0x035b -D <firmware>.dfu
この際、ボードを切断したり、リセットしたりせずに、ボードにファームウェアがフラッシュされるのが進行するのを見てください。
完了すると、MicroPythonでボードをプログラムする準備ができています。
Arduino Lab MicroPython IDEに行き、左上のconnectボタンを押し、ポートを選び、コードを書いてください。
Portena C33
MicroPythonファームウェアをPortena C33ボードにインストールするには、Arduino MicroPythonインストーラーを利用できます。このツールでは、ボードを接続し、メニューから選択し、自動で最新もしくは自分で選択したファームウェアをボードにフラッシュすることができます。ここからArduino MicroPythonインストーラーをダウンロードできます。
MicroPythonファームウェアをインストールする前に、最新のPortena Renesasボードパッケージをインストールしてあることを確認してください。Portena C33ボード用のボードパッケージをインストールするには、ツール > ボード > ボードマネージャを選ぶか、IDEの左タブのボードマネージャをクリックしてください。ボードマネージャタブで、renesas
を探し、最新バージョンのArduino Renesas Portena Boards
をインストールしてください。
最新のボードパッケージをインストールしたら、Arduino MicroPythonインストーラーを起動し、PCにボードを接続します。下の写真に示すように、ボードが選択可能状態になります。インストーラーにボードが表示されない場合は、リセットボタンをダブルクリックして、ボードをブートローダーモードにしてください。
MicroPythonファームウェアをインストールするには、INSTALL MICROPYTHONボタンをクリックし、インストーラーツールがすべてを実行するまで、しばらく待ってください。完了すると、以下の写真のようなメッセージが現れます。
Portena C33ボードでMicroPythonプログラムするための準備が完了しました。
オリジナルのページ
https://docs.arduino.cc/micropython/basics/board-installation/
最終更新日
April 14, 2024