マルチメーターの基本

マルチメーターのさまざまな機能、どのように動作するのか、この重要なツールの使い方を学びます。


AUTHOR: José Garcia、LAST REVISION: 2022/10/05 22:00


マルチメーターは、主にエレクトロニクスで使われるテストツールです。メーカーのファブラブに必ずあります。

例えば以下のようなことができる診断ツールです。

  • 回路のデバッグ
  • 抵抗値の表示
  • 回路の電圧や電流の測定
  • 導体・絶縁体の判断など

テスターの部品

マルチメーターには、機能の多いものから少ないものまで、多くの種類があります。以下の図は、多くのマルチメーターが持つ部品を示します。

マルチメーターの外観図

マルチメーターの外観図

  • ディスプレイは、マルチメーターで測定したさまざまな数値を表示します。
  • 切り替えスイッチの位置を変えて、さまざまな対象を測定します。
  • 測定したい対象によって、適切な方法で端子を接続する必要があります。

マルチメーターの選び方

ユーザの背景や意図によりニーズが異なるので、マルチメータがに求められる特性は一概には言えませんが、ユーザのレベルにかかわらず、以下のような機能が必要です。

  • 電圧測定
  • 電流測定
  • 少なくとも10オームから1Mオームまでの抵抗測定
  • 導通試験(ブザー音付)

また、ユーザーの素養によっては、マルチメーターを簡単に使えたり、より複雑なツールとなる機能もあります。そのような機能をいくつか示します。

  • オートスケール: この機能はデータのスケールを、ユーザーが最も理解しやすい値に設定します。
  • ホールド: この機能はスクリーンの値を固定します。測定点から端子を離した後でも、値を読み取ることができます。
  • 拡張機能: 周波数カウンター、静電容量測定、誘導係数測定、デューティ比など。これらの機能により、電子回路のさまざまな要素や信号の高度な特性を測定することができます。しかし、これらの測定値を意味のあるものにし、回路で正しく測定するには、エレクトロニクスの素養が必要です。

マルチメーターの使い方

マルチメーターには、測定対象により、さまざまな動作モードがあります。電圧と抵抗、導通試験、電流の測定方法から始めましょう。

電圧測定

切り替えスイッチを電圧にあわせ、黒い端子をCOMに、赤い端子をV|Ω|mAにに接続します。

電圧測定のための設定

電圧測定のための設定

この設定では、測定電圧に応じて測定レンジを調整する必要があります。

9Vの電池に近い電圧を図りたい場合は、20に設定します。

  • 測定レンジは、最大測定値を制限します。例えば、2000mに設定すると、このレンジで測定できる最大値は、2000mV=2Vとなります。

適切な測定レンジを知るには、測定対象のおおよその値を確認し、それに従ってレンジを設定する必要があります。

  • 0から200mv→200m
  • 200mVから2000mV(2V)→2000m
  • 2Vから20V→20V

測定レンジで指定した以上の値を測定すると、ディスプレイはオーバーフローを表示し、これは通常数字の1が表示されます。

端子

利用するレンジを選んだら、端子を使います。

  • 黒い端子(コモン)は、回路の接地側(電池のマイナス側)に近い点に接続します。
  • 赤い端子は、回路で電圧を測定したい箇所にあてます。

以下の図は、LEDでの降下電圧を測定する方法を示します。LEDで降下する電圧を知るには、マルチメーターを並列に接続します。

電圧測定

電圧測定

黒い端子がバッテリーのマイナス側に接続されているLEDのマイナス側の端子を検査し、赤い端子がLEDのプラス側の端子を検査しているのがわかります。

回路の電圧測定

回路の電圧測定

抵抗測定

抵抗を測定するには、切り替えスイッチをオームに設定します。

抵抗測定のための設定

抵抗測定のための設定

抵抗を測定する方法は、電圧を測定する方法と同じです。

抵抗値を知るには、何も接続していない抵抗器を測定する必要があります。そうすれば、測定できます。

マルチメーターの各端子を、抵抗器の端子に接続します。

抵抗測定

抵抗測定

導通試験

この機能では、部品が導通しているかそうでないかを知ることができます。

この試験を行うには、マルチメーターの両方の端子を、部品に触れさせる必要があります。そうすると、マルチメーターにより、

  • 部品が導通していれば0L/0が表示されます。
  • 部品が導通していなければ1が表示され、ビープ音が鳴ります。

電流測定

電流測定は、電圧測定や抵抗測定に比べて少し複雑です。マルチメーターで電流を測定するには、赤い端子を10A(DCA)端子に接続し、切り替えスイッチをAに合わせます。

電流測定のための設定

電流測定のための設定

上記のように接続を設定し、切り替えスイッチを適切に設定すれば、回路に流れる電流を測定することができます。マルチメーターが、同じ回路の他の部品と直列に接続されていることを確認してください。

回路の電流測定

回路の電流測定

以下の図は、LEDと抵抗の回路に流れる電流の測定方法を示しています。マルチメーターが、もう一つの部品であるかのように、抵抗とLEDとに直列接続されていることがわかります。

電流測定

電流測定

オリジナルのページ

https://docs.arduino.cc/learn/electronics/multimeter-basics

最終更新日

October 23, 2022

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